ビットコイン(Bitcoin/BTC)にあるリスクとは?

ビットコイン(BTC)を利用したいと考えている人は、いきなり使い始めるのではなく、どんなリスクがあるかを認識しておくことが大切です。

また、さまざまなリスクへの対策についても知っておいたほうがよいでしょう。そこで、ビットコイン(BTC)のリスクと対策についてご紹介します。

【考えられるリスク1】価値が大暴落する


ビットコインのリスク(BTC)として、まず認識しておくべきリスクは、ビットコイン価格が下落する価格変動リスクです。

ビットコイン(BTC)は市場で取引されており、その価格は需要と供給によって決まります。そのため、常に価格が変動することが特徴です。ビットコイン(BTC)の価格変動幅は大きく、ときに暴落することもあります。

仮想通貨に関しては、株のようなストップ安・ストップ高の仕組みがありません。そのため、価格が1日で数十パーセント上昇する可能性がある一方で、数十パーセント暴落する可能性もあるのです。

ビットコイン(BTC)の需給に悪影響を与えるニュースが流れると、ほんの短い間に大幅に価格が下がる可能性もありますので、その点には注意しましょう。

【考えられるリスク2】大量保有者の存在

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価格変動リスクを考慮する場合、ビットコイン(BTC)を大量に保有している大口投資家の存在にも注意が必要です。

大量保有者の動向が、ビットコイン価格に大きな影響を与えるリスクがあります。すでに発行済のビットコイン(BTC)の約40%は、一部の大口投資家によって保有されていると言われています(2019年1月時点)。

大量保有者が売買取引を行う場合、注文量は非常に大きくなる傾向があります。そのため大口投資家がビットコイン価格に与える影響の大きさは、十分認識しておくことが重要です。

売り方の供給量が多くなるとビットコイン(BTC)の価格は下がる、というのが市場の法則です。もし、大量保有者が一斉に売り注文を入れた場合、ビットコイン(BTC)の価格は暴落することになるでしょう。

ビットコイン(BTC)を大量に保有している大口投資家の動向はニュースになったりもしますので、ビットコイン(BTC)を短期取引する場合などには注意が必要です。

【考えられるリスク3】送金ミスをする


ビットコイン(BTC)は、投資対象としてだけでなく、基本的に低コストで送金できるという魅力があります。

しかし、送金を行うときは、送金先を間違えないように指定することが重要です。送金先を間違えた場合、そのビットコイン(BTC)は原則取り戻せません。

ビットコイン(BTC)を送金する場合、ビットコインアドレスの入力が必要です。ビットコインアドレスとは、ビットコイン所有者の口座番号だと理解すればよいでしょう。

ビットコインアドレスは、長い英数字の文字列で構成されているため、入力間違いをしてしまう可能性があります。アドレスの入力ミスをしても、存在しないアドレスだった場合は、送金処理が行われずエラーになります。

しかし、誤って入力したアドレスが実在するアドレスだった場合は、送金は実行されてしまうのです。ビットコイン取引は、取り消しができない仕様になっています。

送金先誤りで処理が完了してしまった場合、送金先から送り返してもらえればビットコイン(BTC)を取り戻せますが、基本的にアドレスから受取人を探すことはできない仕組みです。

そのため、誤って送金してしまったビットコイン(BTC)は、原則失われてしまうと認識しておく必要があります。

【考えられるリスク4】パスワードや秘密鍵の紛失


ウォレットを使っている場合、パスワードや秘密鍵を紛失することも大きなリスクの1つです。

ウォレットとは、仮想通貨の電子財布のことで、仮想通貨の保存や送金などの機能もあります。インターネット上の財布であるオンラインウォレット、パソコンにインストールして使用するデスクトップウォレットなど、ウォレットにはいくつかの種類があります。

USB状のハードウォレットや、紙に情報を印刷するペーパーウォレットなど、セキュリティ面が高いウォレットもあります。

このウォレットを利用して中身の仮想通貨を引き出す場合などに、「秘密鍵」と呼ばれるパスワードのようなものが必要です。この秘密鍵を忘れてしまうと、ウォレットにアクセスできなくなり、仮想通貨を引き出せなくなってしまいます。

ビットコイン(BTC)を送金したい場合に必要となる秘密鍵も、ウォレット内で保管される仕組みです。この秘密鍵と呼ばれるコードを紛失してしまうと、ウォレットに保管してある仮想通貨を復元することは不可能になります。

そのため、ビットコイン(BTC)を自分のウォレットで保管する場合、秘密鍵の管理はしっかりと行いましょう。

【考えられるリスク5】国や政府による規制


国や政府の規制によって、仮想通貨の価値が変動することもリスクです。

政府は、仮想通貨が自国の投資家保護などの観点から望ましくないと判断すれば、規制をかけることもあります。今のところ日本では禁止されていませんが、国によってはビットコイン(BTC)などの仮想通貨の売買や取得、送金のすべてが禁止される事態もあると認識することも大切です。

実際に、中国のように一切のビットコイン取引を禁じている国もあります。また、取引できる場所を限定するなどの規制が行われるケースも多いです。

規制が行われると、ビットコイン価格は大きく変動することもあります。規制内容について市場がプラスの評価をすれば価格上昇、マイナス評価をすると価格下落が生じる可能性が高いです。

日本では、2017年4月に資金決済法が改正され、仮想通貨の法的位置づけと規制内容が明確になりました。この法律の施行により、仮想通貨の売買取引を唯一行ってもよい場所として認められたのが、仮想通貨交換業者が運営する取引所です。

仮想通貨交換業者は、関係省庁の登録を受ける必要があります。そのため、仮想通貨の取引を行う場合には、きちんと登録を受けた仮想通貨交換業者を利用することが大切です。

将来的にも、突然の法的規制によって、ビットコイン(BTC)の価格が大きく変動する可能性はあるでしょう。そのため仮想通貨の規制に関わるニュースは、欠かさずチェックする姿勢が大切です。

【考えられるリスク6】課税される税金が高くなる


仮想通貨は、元々の所得が高額な方などの場合、課税される税金が高くなる可能性があるというリスクもあります。仮想通貨取引による売却益に課税される税金は、所得税や住民税、復興特別所得税です。

売却益は、雑所得に区分され、総合課税が適用されます。総合課税は、給与所得や事業所得などと合算し、基礎控除などの所得控除を引いた課税総所得に対する課税方式です。

所得税の総合課税における税率は、5~45%とされており、所得が大きければ高い税率が課されます。住民税は一律10%、復興特別所得税は所得税の2.1%です。

例えば仮想通貨の売却益が4,000万円以上など多額になる場合は、合わせて約55%の税負担が生じます。また、仮想通貨の売却益以外の給与所得などの金額によっても、適用税率は変わる仕組みです。

非常に大きな利益が出た場合などは、売却益の半分以上を税金で納める可能性があることは認識しておく必要があります。

※税金等の詳細につきましては管轄の税務署や税理士等にお訊ねいただくか、または国税庁タックスアンサーをご参照ください。

【考えられるリスク7】事件に巻き込まれる


仮想通貨には、ハッキング被害などの事件に巻き込まれるリスクがあると知っておくことも必要です。取引所で売買取引を行う場合、その取引所に日本円やビットコイン(BTC)などを保管しておくことになります。

取引所は、ハッキング対策を行っていますが、絶対に安心とは言い切れません。取引所がハッキングされて顧客資産が盗まれた場合、資産を失う可能性があります。

取引所によっては、ハッキングによる盗難に関して一定の補償を行う場合があります。過去の事例では、補償されたケースもありました。

しかし、すべての取引所で補償が行われるとは限りません。また、ハッキングだけでなく取引所経営者による持ち逃げなどの事件も、過去に起こっています。

そのため、できるだけセキュリティレベルが高く、信頼できる取引所を選んで取引することが大切になります。さらに、取引に必要のないビットコイン(BTC)は、自分のハードウェアウォレットに移して分散管理するなどの対策も有効です。

【考えられるリスク8】送金詰まりが発生する


ビットコイン(BTC)は、送金時にビットコインシステム参加者による取引検証と承認が行われます。承認まで完了しないと、送金は完了しない仕組みです。

しかし、急激にビットコイン(BTC)の売買や送金などの取引が増加すると、検証と承認作業が追いつかないこともあります。そういった事態になると生じる可能性があるのが、送金詰まりです。

送金詰まりになると、送金や売買の取引データが検証や承認作業待ちとなって、完了しない状態でとどまってしまいます。結果として、送金したビットコイン(BTC)がなかなか届かず、送金先で使えないなどの事象が発生してしまうのです。

送金詰まりが起こる主な原因としては、取引履歴を格納するブロックのサイズに取引が収まらないことや、取引検証を行う人の処理能力が追いつかないことなどがあげられます。

ブロックは、一定の時間間隔でしか生成されないため、短時間に取引が急激に増加すると、ビットコインシステムの処理能力を超えてしまうのです。ビットコイン(BTC)の状況によっては、送金したもののなかなか相手に届かないリスクがあることは、認識しておきましょう。

【考えられるリスク9】送金手数料が高くなる


ビットコイン(BTC)は、基本的には銀行の国際送金システムを利用した外国送金よりも、手数料が安く済むメリットがあります。

銀行の国際送金システムは、いくつもの銀行を経由して送金処理が行われるため、手数料は高額です。一方、ビットコイン(BTC)は、直接ネット上で相手先に送金するため、手数料は安くなるのが一般的です。

ただし、ビットコイン(BTC)の送金手数料は、取引量によって変動することに注意が必要です。そのため、急激に取引量が増加して送金詰まりなどが発生すると、手数料が高くなるリスクがあります。

高い手数料で送金すると、ビットコイン(BTC)のメリットを活かせないことになります。そのため手数料が高騰している場合は、取引が混雑している時間帯を避けるなどの対策が有効です。

特に、ビットコイン価格が乱高下している場合は、売買取引量が急激に増加します。送金を行う場合は、そういったタイミングを避け、手数料が通常レベルになったことを確認してから送金するとよいでしょう。

【考えられるリスク10】取引したいときにできない


ビットコインシステムは、プログラムによって稼働している通貨システムです。

このプログラムに不具合などが生じると、システムが停止してしまうリスクがあります。ブログラムが停止すると、ビットコイン(BTC)の取引はできなくなってしまうでしょう。

ビットコインシステムは、まだ稼働してからの10年程度しか経過していないシステムです。そのため永続的に安定稼働できるかどうかは、これからにかかっています。

今のところ、ビットコインシステムがダウンしたことはありません。ですが、価格の乱高下が発生して急激に取引量が増加したり、ビットコインシステムへのアクセスが集中したりすると、システムが不安定になる可能性はあります。

そうなると、ビットコイン(BTC)を売買したいときに取引できなくなる可能性もあるでしょう。また、取引所のシステムダウンによる取引停止のリスクもあります。

そのため可能性としては低いかもしれませんが、ビットコイン(BTC)を売買したいときにできない可能性についても、あらかじめ認識しておくことは必要です。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)のリスクに備えた対策方法


ビットコイン(BTC)には、さまざまなメリットがある反面、いくつかのリスクがあります。リスクを最小限に抑えながら、ビットコインを利用することが大切です。

ビットコイン(BTC)のリスクに対処する主な方法としては、例えば下記が挙げられます。

1. ビットコイン(BTC)の仕組みを理解する

1つ目は、ビットコイン(BTC)の仕組みを正しく理解することです。

仕組みがわかっていれば、リスクも正しく認識できるようになる可能性が高まります。

2. 仮想通貨関連のニュースを確認する

2つ目は、仮想通貨関連のニュースを定期的に確認することです。

仮想通貨関連のイベントは、ビットコイン価格に影響を与える可能性があります。そのため定期的にニュースを確認しておくことで、利益を得ることができたり、損失を防ぐことができたりもするでしょう。

3. 余剰資金の範囲内で運用する

3つ目は、余剰資金の範囲内で運用することです。

ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の取引で思わぬ損失を被ったとしても、生活に影響を与えない範囲の金額で投資するようにしましょう。

4. パスワードや秘密鍵の管理を自己責任で行う

4つ目は、取引所にログインするためのパスワードや、ウォレットの秘密鍵などの管理を自己責任で行うことです。

また、取引所を利用する際には、必ず2段階認証設定を行い、自らセキュリティ対策をすることが、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の資産を守ることにつながります。

リスク対策を徹底して安心できる取引をしよう!


ビットコイン(BTC)は、取引対象としての魅力があるため、日々世界中で取引がされています。

また、安い手数料で世界中のどこにでもスピーディーに送金できることも魅力の一つです。さらに、国や中央銀行が管理している法定通貨とは異なり、インフレになっても資産価値が目減りしない可能性があるというメリットなどもあります。

ただし、上述したようにビットコイン(BTC)にはリスクもあることを忘れないようにしましょう。取引を行う場合は、特に、価格が大きく変動するリスクには注意が必要です。

また、余剰資金の範囲内で取引を行い、セキュリティが高い取引所を選び、自らパスワードを管理して2段階認証設定をするなどの対策が必要です。リスク対策をしっかり行い、安心して取引できる環境を整えましょう。

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